和

和の心で楽しもう

西洋化していく日本の生活の中で、なかなか「」の心を感じることができる場面というのは少なくなってきてしまいました。

年齢が上がってくるに連れて、この「和」に対する渇望は強くなっていき、何か和に通じるようなことがしたいと感じる人も多いのではないでしょうか。
そこでここでは、昨今人気を伸ばしている「和」のスポーツとして「弓道」について紹介します。

剣道や柔道などと同じく、弓道は日本の武道の種類の1つです。
ただ、他の武道が直接相手と向き合って試合をするものであるのに対して、弓道はもちろん試合相手と撃ち合いをするものではありません。

あくまでも相対するのは的であり、直接相手と向き合う必要がないために、比較的自分の運動能力に自信がないという人でも始めやすいのがポイントとなっています。
最近ではそういった性質も合って弓道人気は高まっており、ある弓道場の初心者向け講座は一瞬で定員を迎えてしまったと言います。

それでは、弓道を趣味とすることによって、どのような楽しみ方をすることができるのかについて紹介しましょう。
弓道は、30メートル弱離れた所から、36センチという小さな的に向かって矢を射て「命中」したかどうかを競う競技です。

和弓を用いる弓道に於いて、照準を定めるのは自分の経験と感覚のみであるため、その日その時の体調や感情等によって、大きく成績が変わるという特徴があります。
普段はよく中(あ)てる事ができる人でも、本番で心が乱れてしまって全く中らなくなる、ということも少くありません。

その為、自分の心を整えることに適したスポーツであるといえます。
なかなか自分の精神を統一し、落ち着けるというタイミングのない現代社会に於いて、ただ的に向かっている時だけは自分だけと向き合うことができる、というのが弓道の持つ大きな魅力の1つです。

それでは、「体を動かすスポーツ」としての弓道はどうなのでしょうか?

弓道というのは、激しい運動を伴うものではありません。
しかし、実は実際に弓を引いてみるとわかりますが、腕の力だけで射っているものでもありません。

身体全体を使って照準を定めたり、力を込めたりしているため、足腰にも力が掛かり、十分運動になります。
特に姿勢を整える効果が強いため、年齢によって少しずつ姿勢が悪くなってきていると感じる人には、適した競技であるといえるでしょう。

道具を揃える

ただ、剣道もそうですが、弓道というのは「道具」が必要になる競技です。
その為、この道具を揃えるのにお金がかかってしまうのでは?と思って尻込みしている人も多いのではないでしょうか。

そこでここでは、実際に弓道を始める場合に必要となる道具の種類について紹介します。
道具については下記サイトも参考になります。
>>弓道具について【弓・道・楽】

まず、矢を射るために欠かせないのが「」です。
和弓といえば竹を用いた弓が一般的でしたが、昨今では弓道が競技となっているということもあり、素材にも幅が見られるようになってきました。

グラスファイバーやカーボンファイバーと呼ばれる軽くて強度のある素材が用いられる事が多くなっています。
カーボンファイバー製のものが最も安価に購入することが出来、グラスファイバー、竹弓と続きます。

最初は安価で購入することができる合成素材の弓を使用するのが良いでしょう。
慣れてきて、もっと自分に合う弓が欲しいと思った時に、竹弓も考慮に入れてみるのが良いかと思います。

次に、「」についてです。
矢についても竹製のものの他に、カーボンやアルミ、ジュラルミンなどの素材を使っているものがあります。

矢はある程度耐久力があるものであるためすぐに消耗してしまうものではありませんが、二射目以降が命中した際などにはこわれてしまう可能性があります。
ある程度耐久力が強く、安価で購入することができる矢を選ぶのが良いでしょう。

そして最後に「弓懸」についてです。
弓懸は弓を引く際に必要となる手袋のようなもののことを言います。

皮を使っている物が多く、デザインなどにはある程度の幅があります。

これらを揃えることが、弓道の始まりです。
もちろん全くお金がかからないものではありませんが、初期費用は10万円もあれば十分で、案外始めやすい競技だといえるでしょう。