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家族葬って何?

「葬儀」というのは、亡くなった人を見送り、成仏してもらうための「葬送」の儀式であると同時に、近しい人達がその人の死を受け入れ、日常生活に戻るために必要な「区切り」の儀式でもあります。
しかし、これまでの日本で行なわれてきた葬儀の形というのは、「形式」が前面に押し出される事が多く、堅苦しいと感じてきた人も多いのではないでしょうか。

もちろんそういった形での葬儀が悪いというわけではありませんが、人によっては多くの人で集まってお別れを告げるのではなく、「自分たちだけで送りたい」と思うこともあります。
昨今では宗教観の多様化もあり、「葬儀」を小規模に行うということについても抵抗が少なくなってきました。

そういった中で注目を集め、人気を高めているのが「家族葬」と呼ばれる葬儀の方法です。
ここでは、「家族葬」というのがどのようなものなのか、ということについて簡単に紹介します。

家族葬というのは、明確な定義の存在している葬儀形式ではありません。
あくまでも家族や近しい人だけで行う葬儀のことを指しているもので、その内容について決まったことが存在しているわけではないのが特徴です。

その為、例えば故人の遺志を尊重した特殊な葬儀を行う、ということも家族葬であれば問題なく行うことができます。

家族葬を行う場合には、どのような人に来てもらうのか、どこで葬儀をするのか、どんなメリット・デメリットがあるのか、などについて把握しておきましょう。
これらが理解できていないと、せっかくの家族葬が意味のないものになってしまいます。

実際に葬儀を行うという時になると、精神的な余裕もなく、なかなかどのように行なうべきかわからない、ということがあります。
重要なのは、普段から家族との間で「葬儀」について考えておくことです。

例えば自分が亡くなった際には、どのような葬儀をして欲しいか、ということも、一緒に話あっておくのが良いでしょう。
「死」というのは、タブーになりがちな話題です、しかし、実際に亡くなった時により大きな悲しみを残してしまうことがないようにするためにも、普段からしっかり向き合っておくことが重要です。

家族葬の注意点

それでは、実際に家族葬を行うという場合に、注意しておきたいポイントについて紹介します。
故人の遺志を尊重するという場合でも、やはりお葬式というのは「多くの人で送る」ということが普通だと思っている人も少なくありません。

これは本人たちではなく、周囲の人達に関することです。
その為、もし葬儀を大きく行なわず、家族葬のような形で済ませてしまうと、そういった人達から不満の声が生まれてしまうこともあります。

事前に知らせておくべきか、知らせないべきか、よく考えて対応をしなければなりません。
特に付き合いが広かった方が亡くなった場合にはこういった問題が発生しやすいため、細心の注意を払う必要があります。

また「費用」についても注意しなければならないことがあります。
費用を節約したいという理由で家族葬を利用するのであれば、しっかり内容について確認をしなければなりません。

中には家族葬であっても通常の葬儀とそれほど変わらない料金プランを設定している場合もあります。
葬儀社の良し悪しも大きく影響することになるためしっかり確認をしておくようにしましょう。