遺言書が動画や音声で残せない理由

遺言書は動画や音声でも残せるのか

遺言書というのは法的に様々な厳しい決まりがあります。
中には病気の症状や状況によっては文字を書くことが難しく、動画や音声で遺言書代わりのメッセージを残すという選択をする人もいます。

しかし、残念ながらこのような動画や音声の遺書は無効です。
これには遺言書で守るべき方式があるためです。

遺言書の決まり

遺言書は法律で定められた方式で作成しなければ法的に無効です。
そのため、最近では公証人が作成する公正証書遺言を作成してきちんと書式を完成させるという人も少なくありません。

しかし、人によってはそのようなことが難しいケースもあります。
その場合には自筆で遺言書と認められるように作成することが必要です。
この時守るべき4つのルールがあります。

それは、遺言書を残す人が遺言の全文を自筆で書くこと、遺言書を残す人が日付を自分で書くこと、遺言書を残す人が氏名を自分で書くこと、遺言書を残す人が遺言書に押印すること、というのがあります。
遺言書は遺言書を残した人が死亡した瞬間から効力が生じます。
そのため、遺言書を確認しているという時には残した本人は亡くなっていますから、遺志を尊重するために法律でしっかりと作成方法が決められているのです。

遺言書として無効となってしまうもの

動画や音声というのは遺言書として書かれたものではありません。
日付や本人氏名、厳密な遺言内容が動画や音声の中で話されていたとしても、自分で書いていないこと、押印できていないことから法的に無効なのです。

もちろん、動画や音声での記録以外にも無効となってしまうものがあります。
まずは携帯電話のメールやパソコンに残しているもの、そしてそれらをプリントアウトしたものです。
これらは自分で書いた内容であることを証明することができないために無効です。

また、他人の代筆も同様です。
代筆しているということは本人が自分で書くということを満たせていないので法的に無効となってしまいます。

法的に無効な遺言は有効にすることはできるのか

このような代筆や音声、動画といった法的に無効な遺言がある場合、多くの人はどうにか有効にすることができないか考えるものです。
しかし、法的に有効にするということはできません。

そこで、有効な遺言書がないとなれば相続人全員で遺産分割協議という話し合いをして全員が合意するまで話し合いをすることが必要です。
その際、法的に無効な遺言であってもこれを参考にして話を進めることはできます。

動画や音声での遺言に従って相続するので問題がない、と全員が合意できればその通りに相続することはできます。
ただし一人でも親族で反対する人がいればそれに従って遺産相続することはできません。